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名指揮者の名盤・名演奏(40)/オットー・クレンペラー⑪/マーラーの交響曲

 昨年12月から投稿を始めた「名指揮者の名盤・名演奏」ですが、クラシック音楽の音源の架蔵枚数が多いとは言え、企画としては大きすぎ、なかなか先に進みません。

 毎日、毎日スピーカーの前で何時間も聴いているわけでもなく、どのような演奏だったかの記憶も曖昧です。初めに聴いた時の感動が、今聴き直すとそうでもなかったり、逆につまらない演奏だったと思うのが、あらためて聴き直すと新しい発見をして感動したり・・ どこまで投稿できるかはわかりません。あくまでHIROちゃんの手元にあるライブラリーの中から勝手な好みで選ぶ名盤・名演奏ですが、気長に投稿していきたいと思います。

 

 さて、今回は番外編や再投稿を除くと40回目、オットー・クレンペラーの11回目です。マーラーの作品について簡単に書いてみます。クレンペラーについては今回が最後でも良いのですが、あと1回くらい投稿かな?

 クレンペラーのマーラーの交響曲については多くの録音がありますが、HIROちゃんの手元にあるライブラリーは下記のCDのみでLPレコードは持っていません。

 

交響曲 第2番 ハ短調 「復活」

 フィルハーモニア管弦楽団&合唱団 

 ソプラノ: エリーザベト・シュヴァルツコプフ

 メッゾ・ソプラノ:ヒルデ・レルス=マイダン

 (1961/1962年)

交響曲 第4番 ト長調

①ケルン放送交響楽団

  ソプラノ:エルフリーデ・トレチェル

 (1954年2月11日ライヴ)

②アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

  ソプラノ:マリア・シュターダー

 (1955年11月10日ライヴ)

③フィルハーモニー管弦楽団

 ソプラノ:エリザベート・シュワルツコップ

 (1961年)

交響曲 第7番 ト長調 「夜の歌」

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 (1968年)

交響曲 第9番 ニ長調

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 (1967年)

交響曲「大地の歌」

1. 大地の哀愁を歌う酒の歌

2. 秋に寂しき者

3. 青春について

4. 美について

5. 春に酔える者

6. 告別

 コントラルト:クリスタ・ルートヴィヒ

 テノール:フリッツ・ヴンダーリヒ

 フィルハーモニア管弦楽団、

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 (1964/1966年)

歌曲集
1. リュッケルトの歌 「私はこの世に捨てられて」

2. リュッケルトの歌 「真夜中に」

3. 子供の魔法の角笛 「この世の生活」

4. リュッケルトの歌 「私は快い香りを吸い込んだ」

5. 子供の魔法の角笛 「美しいトランペットが鳴り響く所」

メゾ・ソプラノ:クリスタ・ルートヴィヒ

フィルハーモニア管弦楽団、(1964年)

亡き子をしのぶ歌

 コントラルト:キャスリーン・フェリア

 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

 (1951年7月12日ライヴ)

 

 

下記のCDはフランスのEMI輸入盤のマーラーの6枚組BOXセットで、フィルハーモニア管弦楽団(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)との交響曲第2番、第4番、第7番、第9番、大地の歌、それに歌曲集が収められています。 img20230824_20095038.jpg

 

メンブランBOXから

ケルン放送交響楽団との1954年ライヴの交響曲第4番ト長調&

キャスリーン・フェリアとの1951年ライヴ「亡き子をしのぶ歌」 img20230824_20080621.jpg

 

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

ソプラノ:マリア・シュターダーとの1955年ライヴ

交響曲第4番ト長調

img20230824_20064608.jpg

  

 クレンペラーの交響曲第2番「復活」は何種類もあるようですが、手元にあるのは前記の1種類のみです。全体のテンポとしては遅すぎず明確でしょう。気迫に満ちた力強い第1楽章、また、第2楽章後半でのピツィカートに導かれる叙情的な部分や、第3楽章での雄大さが印象的です。全体的に表現も細やかさが感じられます。合唱が入った壮大な交響曲ですが、フィルハーモニア管弦楽団と共に合唱団や、シュワルツコップらの歌唱も素晴らしい演奏と言えるでしょう。

でも、まだまだ聴き込みが少ないマーラーだけに、この曲になじむのには時間がかかりそうです。・・ 

 

交響曲第4番ト長調

 少し苦手なマーラーですが、この第4番はマーラーの中では好きな曲です。編成も小さく曲調も明るく演奏時間もそれほど長くないため、結構聴くことが多い曲です。

何故かこの曲だけCDで3種類の演奏を持っています。1955年のコンセルトヘボウ管弦楽団&マリア・シュターダーとのライヴも良い演奏ですが、やはりステレオ盤のフィルハーモニア盤を聴くべきでしょう。軽快に進む曲なのですが、クレンペラーは、やや遅めのテンポで重厚感もあります。第4楽章でのシュワルツコップの歌唱も見事です。

 

 交響曲第7番「夜の歌」ですが、何故かこの曲、マーラーの交響曲の中でも最も難解な曲と言えるかもしれません。そんな曲のためか長時間この曲を聴くのが少し苦痛です。ましてクレンペラーの非常に遅いテンポの演奏には少しついていけません。特に終楽章ですが演奏時間は24分15秒と驚くほど遅い。

手元には、クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団の全曲のBOXがあるのですが、このクーベリックの第7番の終楽章の演奏時間16分42秒と比べると、クレンペラーは異常に遅いことがわかります。

この楽章の冒頭のファンファーレだけを聴くと、それほど遅いテンポだとは感じなくもありません。しかし、驚くほどテンポの遅い演奏で違和感があるものの、これがクレンペラーの演奏か~・・と、思って聴くと遅さはあまり気にならなくなる不思議な演奏です。

 

 交響曲第9番ニ長調ですが、こちらも演奏時間は90分を超えるテンポ設定で、遅めの演奏です。このマーラーの第9番というと、古い録音ですがワルター/ウィーン・フィルや、バーンスタイン、バルビローリなど名盤が多いのですが、クレンペラーの第9番もなかなかでスケールが大きい演奏です。クレンペラーは、この曲をウィーン・フィルや、エレサレム交響楽団とも録音していますが、手元にあるのはニュー・フィルハーモニア管弦楽団との1種類だけです。全体的に悠揚迫らぬインテンポで淡々と進む堂々とした感じでしょうか・・マーラー独特の生と死など激しさや静けさ、美しさが聞こえてくる深い演奏と言えます。

 

 交響曲「大地の歌」ですが、さて、この曲は本当に交響曲の範疇に入るのだろうか? 「大地の歌」というと、ブルーノ・ワルター指揮/ウィーン・フィルハーモニーの演奏が名盤として有名ですが、このクレンペラー盤も名盤と言えるでしょう。

 特に、ここでのクリスタ・ルートヴィヒと、フリッツ・ヴンダーリッヒの歌唱が絶品。ルートヴィヒは、バーンスタイン指揮/イスラエル・フィルやカラヤン指揮/ベルリン・フィル、カルロス・クライバー指揮/ウィーン交響楽団との1967年ライヴでも録音を残していて、CDを架蔵していますが、クレンペラーとのこの共演盤でも素晴らしい歌唱です。

 そして、もうひとつのこの録音の聴きものは、フリッツ・ヴンダーリッヒのテノールでしょう。力強さと、甘美のある声、そして感情の素晴らしさが伝わってくる名盤だと思います。特に1楽章のヴンダーリッヒの歌唱が素晴らしく、存在感があります。オーケストラも壮大なスケール感と迫力があります。

 

 なお、クレンペラーの伴奏で、クリスタ・ルートヴィヒが歌う歌曲集と、キャスリーン・フェリアが歌う「亡き子をしのぶ歌」も素晴らしい。

 

マーラーの交響曲の聴き直し・・疲れました・・

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。

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コメント

ルーネスチンネンスカヤ・ゴールデンパラキートアーミーマン・メタリックソルジャー

ヴィエナにて
オーストリア🇦🇹エスターラィヒは、一度は行ってみたいですね。
NHKでよく、コンサートやってるけど、ヴィーンまで、航空券と旅行は、50万円近いのだろうか。

HIROちゃん

ルーネスさん
海外のコンサートまではお金がないので行けません。国内だってチケットが高いし・・・

yositaka

クレンペラーのマーラーで、もっとも広く親しまれているのは「大地の歌」でしょう。
遊びのない直球勝負ながら、響きの見通しがよく気持ちのいい演奏です。
もっとも個性的なのが第7.フィナーレの喧騒を遅いテンポで切り抜けようとした結果、全体が極端に遅くなってしまった。この指揮者のマニアックな偏執ぶりをよく表す録音。
得意曲は「復活」です。
最初は不愛想に進めつつ、次第に熱気を増して最後まで聞くとすっかり満腹になります。録音ではフィルハーモニア、ライヴ館ではコンセルトヘボウ、バイエルン放送響、どちらも優劣つけがたい魅力があります。

HIROちゃん

yositakaさん
返信が遅くなりました。
やはりクレンペラーのマーラーでは、「大地の歌」でしょうネ。
第7番の遅いテンポには驚きでした。

第2番や第7番は、あまり好んでは聴かない曲ですが、最近はマーラーもだいぶ聴くようになってきました。
ライヴ盤ですがコンセルトヘボウ、バイエルン放送響、などの演奏も機会があれば聴いてみようと思います。
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