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名指揮者の名盤・名演奏(46)/フルトヴェングラー④/ブルックナー交響曲

今回はフルトヴェングラーのブルックナー交響曲について少し書いてみます。

ブルックナーの交響曲と言えば、HIROちゃんにとっては、今は亡き評論家の宇野功芳氏の影響が大きく、クナッパーツブッシュやシューリヒトのLPレコードを聴き始めたのが最初です。(そのためかフルトヴェングラーのLPは1枚しか持っていません) 宇野氏は「ブルックナーを演奏する時には、テンポの変化を伴ったドラマティックな演奏は避けるべきで、フルトヴェングラーのブルックナーは失敗だ・・」とまで言い切っていますが・・今回、あらためてフルトヴェングラーのブルックナーを聴いてみると、確かに個性的な演奏で、シューリヒトや、クナッパーツブッシュ、朝比奈隆、ヨッフムなどの演奏とは全く異なり、テンポの動きを伴った感情を深く表した演奏が目立ちます。

 理想的なブルックナーの演奏は?・・と言われても難しいのですが、フルトヴェングラーのような精神的な深さを強烈に表現した演奏も悪くないと思いました。

ただし、全てモノラル録音で音が良くないのが残念。やはりブルックナーの曲はステレオで聴きたいものです。

 

 HIROちゃんの手元にあるフルトヴェングラーのライブラリーは、下の写真とリストのとおりで前記のようにLPレコードはキングレコードから発売された1,200円の「ロンドン不滅の名盤シリーズ」の第4番「ロマンティック」だけで、あとはCDです。

 IMG_4607.jpg

 

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交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」

 ①ウィーン・フィルハーモニー

  1951/10/29ライヴ DECCA

 ②ウィーン・フィルハーモニー

  1951/10 シュトゥットガルト SDRスタジオ

交響曲第5番変ロ長調

 ①ベルリン・フィルハーモニー

  1942/10/25 ライヴ

 ②ウィーン・フィルハーモニー

  1951/08/19 ライヴ MEMORIES

交響曲第6番イ長調(抜粋:第1楽章欠損)

  ベルリン・フィルハーモニー

  1943/11/13-16 ライヴ MEMORIES

交響曲第7番ホ長調

 ①ベルリン・フィルハーモニー

  1949/10/18 ライヴ EMI

 ②ベルリン・フィルハーモニー

  1951/04/23 ライヴ MEMORIES

交響曲第8番ハ短調

 ①ウィーン・フィルハーモニー

  1944/10/17 ライヴ

 ②ベルリン・フィルハーモニー

  1949/03/14 ライヴ EMI

 ③ベルリン・フィルハーモニー

  1949/03/15 ライヴ MEMORIES

 ④ウィーン・フィルハーモニー

  1954/04/10 ライヴ

交響曲第9番ニ短調

  ベルリン・フィルハーモニー

  1944/10/07 ライヴ

 

 これらの演奏の共通点と言えば、前記でも少し述べましたが、ブルックナー作品の壮大さと、フルトヴェングラー独自の個性的なテンポの変化と緊張感、そして濃厚で深い感情の表現でしょう。

第4番や第5番でもそれらの特徴が良く表れた演奏ですが、最も個性的な演奏と言えば第7番と第8番のように感じます。

 

 第7番ですが、手元にある①のEMI盤のCDは1949年のモノラル録音を疑似ステレオ化したもの。音の定位はやや不安定ですが「音の広がり」という点からみれば、それほど悪くはありません。

この演奏は全体的に雄大で怒涛を感じる演奏ですが、第2楽章のアダージョが凄い。魂のこもった表現で美しい。個性の強い演奏で好みは分かれるものの、名盤でしょう。

 

 第8番は、フルトヴェングラーのブルックナーの中では、最も個性的で強烈。手元には4種類の音源がありますが、死を迎える④の1954年の盤の第3楽章が印象に残りますが、②の1949年3月14日録音のEMI盤が名盤、これも疑似ステレオ盤でまずまずの音ですが、大好きな第3楽章のアダージョでのハープの音が捉えきれていないのが残念。しかし、全体として個性的ではあるのですが、内面的な燃焼度の高い雄大な演奏で、特に第3楽章は深い精神性が見事に表現されていて感動的です。

 また1日違いの3月15日のライヴ録音ですが、前記のEMI盤とは異なり、会場のざわつき等が所々目立ちますが、演奏会場での雰囲気も良く伝わってくる演奏で、基本的なスタイルはEMI 盤とあまり変わらず、演奏時間もほぼ同じです。モノラルで聴くなら、こちらの方が音がいいかも・・

 

 第9番ですが、知られる限りフルトヴェングラーでは唯一の録音のようです。

テンポの速い凄まじい演奏で特に第2楽章のテンポが速い。全体としてはスケールの大きな演奏で、第1楽章、第3楽章などは緊張感もあるのですが、聴いていると複雑な表現もあり、難解さを少し感じる演奏だと思います。

 

まあ、フルトヴェングラーのマニアの方にとっては、全てがたまらない演奏だとは思いますし、人それぞれ好みもあるでしょうが、ここでは第7番、第8番を「名盤・名演」としました。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。

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コメント

ルーネスノヘヤマック・イヴニングリトルパラキートマン・ウルトラスピードカー・インテリケミカルサイエンティスト

初耳です
クラシックは色んな作曲家がいるけど、有名なのは頭良くなるモーツァルトや、他は大苦労人のベートーヴェンでしょうか。

飽きないよね、クラシックやジャズは

HIROちゃん

ジャズやクラシックは、いいですね。
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HIROちゃん

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